これまで当サイトでは電線管に関していくつかの記事を書いてきましたが、実は電線管は単体で使われるということはほとんどありません。
電線管は、付属品と一緒に使用することで初めて機能すると言ってもよいでしょう。
そこで今回は、電線管の付属品にはどういったものが存在するのか、その名称・用途・使い方などを写真付きで簡単に解説していこうと思います。
目次
付属品は何のためにあるのか。
こんなことわざわざ書く必要ないやろ と思われるかもしれませんが、全く電気工事に関わったことの無い人向けに一応説明しておきます。
電線管の役割はこちらの記事で説明したとおり、電線・ケーブルを保護するためのものです。
で、その電線管の始まりと終わり、あるいは中継地点で、どうしても付属品が必要になります。
たとえば電線管の終点にあたるボックスに接続するときにも専用の付属品が必要になりますし、管と管をつなぐ時にも付属品が必要になるのです。
付属品を全て挙げ出すとキリが無いため、今回は代表的な付属品である「コネクタ」「カップリング」「ノーマルベンド」などについて項目分けして解説していきます。
コネクタ
コネクタとは、電線管とボックスを接続したいときに使うものです。業界用語で「ボッコン」とも呼ばれています。
ちなみにボックスに関しては、色々な種類のボックスが存在するため、また別の記事で扱うことにしますが、終点としてのボックスや中継地点としてのボックスなどが存在します。
こちらがねじなし電線管用のコネクタ
そしてこちらがCD管用・PF管用のコネクタです。CD管がオレンジ、その他の色がPF管になります。
カップリング(TSカップリング)
カップリングとは、電線管と電線管を接続したいときに使うものです。
同じ管同士を接続するカップリングもあれば、異種管同士を接続するものもあります。画像を見ながら順に解説していきましょう。
まずは、ねじなし電線管用のカップリング(上)と、厚鋼or薄鋼ようのカップリング(下)です。
次に、コンビネーションカップリング。
異種管接続用のカップリングです。
たとえば、厚鋼とVE管、薄鋼とFEP管など、様々なパターンがあり、組み合わせごとに異なるカップリングが存在します。
こちら、ユニオンカップリング。
回すことのできない薄鋼と薄鋼を、直線に相互接続するときに使用します。
TSカップリング。
VE管同士の接続に使います。
TSとはTaper sized solvent welding methodの略で、テーパを持った受け口にVE管を差し込んで接着するという工法からきています。
最後に、PF管・CD管用のカップリングです。
例によって色で見分けることができるようになっています。
ノーマルベンド
ノーマルベントとは、電線管を直角に接続したいときに使うものです。
これに関しては用途が非常にわかりやすいので、特筆すべき事項はありませんね。
こちらが金属管用のノーマルベンド。
そしてこちらがVE管用のノーマルベンドです。
その他
電線管付属品の代表格としてコネクタ・カップリング・ベンドを紹介しましたが、もちろん他にも電線管を使う上で重要な附属品は、たくさんありますので、そのうちいくつかを挙げていこうと思います。
ユニバーサルボックス
ユニバーサルは、電線管と電線管を直角に、あるいはT型に相互接続する時に使用するものです。
写真のように金属電線管用のものと、樹脂製のものがあります。
絶縁ブッシング(ユーピロンブッシング)
通称「ユーピロン」
ボックスに固定された金属電線管の開口端にねじ込んで、管端で傷がつかないように電線被覆を保護するときに使用します。
サドル
電線管を一定の距離ごとにねじ止めして固定し、たわみを防ぐための支持具です。
ちなみに支持間隔は金属管工事が2m以下、合成樹脂管工事が1.5m以下、そして可とう管工事が1m以下というふうに内線規程で定められています。
おわりに
電線管の付属品は種類がとても豊富です。今回挙げたものは、本当に基本中の基本にしか過ぎません。
たとえばコネクタひとつを取っても、防水型やクイックタイプ、引き出しコネクタや曲がりコネクタなど、その種類は多岐に渡ります。
そのすべてをここで紹介することは難しいので、基本的なことを理解したら、各メーカーさんのカタログを手に取って工事の用途に合ったものを探してみるといいと思います。