電材

ハンドホールとは?サイズ・規格・価格・マンホールとの違いを解説!

ハンドホールとは、管路式の地中埋設工事において、地中に埋められている電線・ケーブル・電線管(FEPや鉄管など)の接続や点検を行う場所として設置される地中箱のことを言います。

これまで、電気工事におけるボックスの役割についての記事を書いてきましたが、大雑把に言うと、ハンドホールもアウトレットボックスプルボックスと同じような役割を果たしていると言えます。(厳密には違いますが。)

主に電線・ケーブルを地中埋設したときに使うものではありますが、実はそれ他の電設資材や通信機器を地下埋設する際にもハンドホールは必要となりますので注意が必要です。

 

 

ハンドホールの用途としてはざっくり説明すると以上になりますが、これだけでは少し物足りないので、今回はハンドホールの種類・メーカー・価格、そしてマンホールとの違いについて、説明していこうと思います。

 

 

 

 

ハンドホールの種類(サイズ・規格)について

ハンドホールの構造

 

まずハンドホールの材質についてですが、主にコンクリートが主流となっています。

官公庁でも取り入れられているのがコンクリート製のハンドホールで、サイズの多さや耐荷重性、耐久性ともに優れているのが特徴です。

それに対し、一部ではプラスチック製(樹脂製)のハンドホールを取り扱っているメーカーも存在します。

樹脂製のハンドホールの特徴としては、重量がコンクリートの約10分の1であることや、施工性の良さ(加工のしやすさ)、少ない人員・作業機械で設置できる経済性など、メリットが数多くあります。

ただ、それぞれにメリットはありますが、たとえコンクリート製であっても樹脂製であっても、どちらも耐荷重性や防水性に問題はありません(防水性は蓋が重要)ので、どちらを使うかは施主や業者の判断次第ということになります。

 

 

次にサイズ(規格)についてですが、小さい物だと450(縦450mm×横450mm×高さ500mm)のものから、大きい物で2000(縦2,000mm×横2,000mm×高さ2,300mm)と、非常に豊富に取り揃えられています。

ちなみに詳しくは後述しますが、2000というサイズになると、人が入れるサイズですので、ハンドホールではなくマンホールという分類になります。

サイズについては、大手メーカー(オーイケ等)のカタログを見れば、サイズの一覧などが事細かに記してありますので、より詳しく知りたい方は見てみると良いでしょう。

 

 

 

 

ハンドホールのメーカーと価格について

次にハンドホールのメーカーについてですが、代表的なところで言うと、立基(タツキ)、オーイケ、マンホール商会、ケイコン、カナフレックスなどが挙げられます。

やはりコンクリート製でいうと、タツキとオーイケが有名だと思います。

実際のシェアがどうなのか、ということは残念ながらデータが無いのでわからないのですが、個人的に業界で働いている時によく聞いた名前がタツキ・オーイケの2社でした。

樹脂製ハンドホールで有名なのはマンホール商会です。カナフレックスは、FEP管が主力製品ですので、それに合わせてハンドホールの製造・販売をしているようです。

 

 

価格についてですが、まず一般の方がハンドホールを購入することはできません。(する必要もないと思いますが。)

一応、ネット情報で調べたところによると、ケイコンの600×600×600のハンドホールで約15万円、1500×1500×1800のサイズで約70万円という価格設定となっていました。

ですので、施工業者への卸価格がこのくらいか、あるいはこれより低い価格、そして、商社・問屋への仕入れ値はこの半分くらいの値段設定でしょうか。(適当です、ごめんなさい。)

こればかりは、メーカー・商社の人間じゃないと正確な価格がわからないので、もしハンドホールに関連する業界の方いらっしゃいましたら、コメントにて教えていただけると嬉しいです。(笑)

 

 

 

 

ハンドホールとマンホールの違い

さて、意外と多い疑問が、「ハンドホールとマンホールってどう違うの?」という点についてです。

実は、言葉の意味を考えれば、あっさりと答えがわかります。

 

それぞれの英語を直訳すると、

ハンドホール(Hand Hole)手の穴

マンホール(Man Hole)人の穴

という意味になります。

 

つまり、手が入る程度の大きさ(小さいもの)をハンドホール、人が入れる大きさ(大きいもの)をマンホールと呼ぶのです。

 

「え?それだけ?明確な定義は無いの?」という声が聞こえてきそうですが、実はこれだけです。

 

ただしここでいうハンドホール・マンホールとは、電気・通信工事における呼び名のことなので注意が必要です。

というのも、下水道工事においてもマンホールというものは存在しますが、下水道のハンドホールというものは存在しないからです。

マンホール=大きな地中箱、ハンドホール=小さな地中箱という定義は、電気の地中埋設工事におけるものなのです。

 

 

 

 

配管におけるベルマウスとは何か

最後に、検索エンジンをチェックしていると、ハンドホールと合わせて「ベルマウス」と検索している人がどうやら多いようなので、ここで配管におけるベルマウスについても、簡単に説明いたします。

ベルマウスとは、ラッパの様な形状の製品のことをいいますが、地中埋設工事においては、電線管(主にFEP管)とマンホール(ハンドホール)を接続する際に使用する部材のことをいいます。

ボックスでいうところのコネクタ(ボッコン)ですね。見た目は上記の写真のとおりです。

たしかにコネクタでありながら、ラッパのように開いた形になっていることが確認できますね。

 

 

 

 

おわりに

今回は、電気工事におけるハンドホール(マンホール)について説明させていただきました。

素人でもわかるように、なるべく専門用語を使わずに解説したつもりですが、何かわからないことや間違っている点などございましたら、コメント欄よりご連絡いただけると助かります。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。