ボイド管とは、スラブ・梁・壁といった躯体を貫通する穴(スリーブ)を空けるときに使用する紙管のことを言います。
建築に関わる人じゃなければ、この時点で「???」という感じですよね。
そこで今回は、建築関係や配管工でない人向け(初心者・素人含む)に、このボイド管がどのような役割を果たすのか、ということを解説していきます。文章量的にはかなり短めです。
ボイド管の役割と施工
まず言葉の意味から解説すると、「ボイド」とは英語のvoidに由来していて、訳としては「空の」とか「穴、空所、隙間」といった意味となります。
ですから、ボイド管とはそのまんまの意味で、「空白」や「穴」を作りたいときに使う管、ということになります。
たとえばコンクリートに水道管や電線管を通したい時、穴を空けようと思っても、難しいですよね。
というか、管を通してしまうくらいの大きな穴をコンクリートにあけるのは、普通の電動工具だとほぼ不可能なんです。
そこで、あらかじめコンクリ―トを流し込んで壁などを作ってしまう際に、管を通すスリーブの型を作ろう!というのが、ボイド管の役割です。
施工の手順としては、鉄筋があって、コンパネで枠を作って、スリーブホルダーなどを使用して鉄筋にボイド管を固定して、コンクリートを流し込みます。
次の画像のようなイメージですね。
ここに、コンクリートを流し込んで、コンパネを外し、ボイド管を引っこ抜くと、
このようにコンクリートに綺麗な丸穴があきます。
この丸い穴をあけるのが、ボイド管の役割です。
ボイド管の抜き方については、Youtubeにわかりやすい動画がありましたのでここに載せておきますね。
ボイド管の材質・規格(サイズ)
ボイド管は基本的に紙で出来ていますが、かなり丈夫です。
触った感覚としては、サランラップとかの芯に近いものがあります。
あれをもっと丈夫にした感じだと思ってください。
また、ボイド管のサイズは、呼び径が内径となっています。
以下にその呼び径(内径)と肉厚の表を載せますので、参考にしてみてください。
ボイド管のメーカーと価格
ボイド管のメーカーとして代表的なのは以下の2社です。
・フジモリ産業
・北海紙管
ホームセンターに行けば、大抵はこの2社のどちらかのボイドパイプが置いてあるはずです。
価格としては、地域や仕入れ状況にもよりますが、私の最寄りのDCMホームセンターでは4mの50φが約500円ほどで売られていました。
通販サイトですと、モノタロウやコメリ通販で売られているようですので、値段をチェックしてみると良いでしょう。
また、ネットでちょっとした端尺のボイド管を購入したい場合は、Amazonでミライのボイド管を購入するのも良いでしょう。
おわりに
当サイトは、電材や水道・空調関連の部材について解説しているサイトです。
ボイド管というのは、水道管でも電線管でもありませんから、少しイレギュラーかもしれませんが、その水道管や電線管をコンクリート等に通すためには必須の管なので、今回は紹介させていただきました。
何か疑問点やおかしい点などございましたら、コメントにて宜しくお願い致します。