今回は「線ぴ」に関する記事を書いていきます。
これを電線管というジャンルに分類していいのかどうか微妙なラインですが、「ケーブル保護」という目的では通常の金属電線管や合成樹脂電線管と同じなので、このカテゴリーで書き進めていくことにします。
まず、線ぴというのは一般的に配線モール・配線カバーと呼ばれているもので、電気工事界隈ではメタルモールやレースウェイと呼ばれることが多いです。
電気工事に使える線ぴは、幅5cm以下で、材質は金属のみとなります。
電気工事ではなく、単なる配線隠しのカバーという視点で言うのであれば、合成樹脂製品も存在するのですが、現在は電気工事で樹脂製モールを使うことはほとんどありません。
線ぴの用途と概要としては以上になりますが、線ぴにはいくつかの種類がありますので、以下に解説していきます。
合成樹脂線ぴ
かつては合成樹脂線ぴも電気工事で使用出来たのですが、「電気設備の技術基準の解釈」が2011年に改正された際、電気用品安全法から合成樹脂製の線ぴが削除されたので電気工事には使用することが出来なくなってしまいました。
さらに、それに伴い内線規程も改訂され、合成樹脂線ぴ配線が削除されたのです。
したがって合成樹脂線ぴは、通信用のケーブル・アンテナケーブルなどの配線の美観を保って保護するため等、電気工事以外の用途で使われていることが多いです。
ホームセンターなどでも一般向けに販売されており、DIYでやる人も多いです。
サイズの種類が豊富で見た目がおしゃれなものが多いことが特徴ですね。
一種金属製線ぴ(メタルモール)
一種金属製線ぴに区分されているメタルモール(長さ2m)は、事務所などでコンセント・通信線のアウトレットを設置する場合に、壁面露出で配線やケーブルを立ち下げるときに切断して使用されます。
新築の建物では壁内に多くの配線が隠されるため一種金属製の線ぴを目にする機会はほとんどありませんが、リフォームやレイアウト変更の際に照明器具の位置を変えることになった場合メタルモール工事を行うことになります。
ちなみにメタルモールは、その寸法によって一種金属製線ぴに分類されるものと、金属ダクトに分類されるものが分かれます。
一種金属製線ぴとして扱われるメタルモールはA型とB型で、ダクトはC型となります。
※モールとダクトの違いについてはいずれ別記事で紹介させていただきます。
二種金属製線ぴ(レースウェイ)
立体駐車場や倉庫、工場、駅のプラットホームなどの天井から釣りボルトで吊り下げて施工され、照明器具の取り付けや電気供給の機能を持っているものが二種金属製線ぴ≒レースウェイとなります。
用途としては照明器具の取り付けと配線保護です。
メタルモールとレースウェイの違いについてですが、寸法や用途の違いに加え、一番明確な違いとしては上から被せるカバーがレースウェイには存在しないことが挙げられます。
おわりに
線ぴ工事は電気工事においてそこまで重要視される部分ではありませんが、やはり改修工事が増えている昨今では無視できないものです。
また、似たような工事として空調設備・給排水リフォームなどでもモールを使用することがあり、用途は違えど工事内容としてはほとんど同じものになります。
そこらへんの記事も、そのうち書いていく予定です。よろしくお願いいたします。