OAフロアとは、床の下に電源や通信用の配線、あるいは空調設備などの機器を収納することのできるフロアのことです。
別名フリーアクセスフロアと呼ばれ、床下にネットワーク配線を設置するのに一定の高さ(空間)を必要とするため、二重床や床上げとも呼ばれることがあります。
ちなみにOAとはオフィス・オートメーション(Office Automation)の略となります。
見た目としては、事務所や学校のパソコン教室などに敷設されたタイルカーペットを思い浮かべていただければ間違い無いでしょう。
あのタイルカーペットの下に、電源や通信用の配線が敷き詰められている、ということです。
OAフロアの概要としては以上になります。
ただ、もっと詳しく知りたい!という方のために、もう少しだけ掘り下げて説明していくことにしましょう。
OAフロアの特徴と耐荷重性
さきほども書きましたが、改めてOAフロア(フリーサクセスフロア)の特徴について、『電気工事が一番わかる』という参考書から引用させていただきます。
フリーアクセスフロアは床から一定の高さの空間を設けて設置する二重床であり、床上のレイアウト変更に対応して床下空間の電力用配線、通信用配線と機器などの配置およびメンテナンスを容易にできます。近年ではオフィス、工場、学校等でフロアダクトに代わって施設されることが多くなっており、一般的にOAフロアの名で親しまれています。製品の試験方法はJIS A1450(フリーアクセスフロア試験方法)として標準化されています。
ちなみにOAフロアの耐荷重性についてですが、一般的には軽荷重用と重荷重用の2種類があり、軽荷重用だと1㎡あたり200kg~300kg、重荷重用だと1㎡あたり400kg~500kgまでの重さであれば耐えられる構造になっているようです。
一般的なオフィスでは、1㎡あたりに200kg以上の負荷がかかることはほとんど無い(一般的なコピー機でも100kgほど)ので、よほどのことが無い限りは軽荷重用のOAフロアで事足りると思います。
OAフロアの種類と材質
次にOAフロアの種類について説明します。
OAフロアには、テーブルのように四つ角で支えられている支柱調整式と、支柱が存在せず通常のタイルのように敷き詰める置敷式の2種類から成ります。
さらにそこから支柱分離型と中実スチールの2種類に分けられるのですが、この分類については、JAFA(フリーアクセスフロア工業会)のウェブサイトに載せられている表を参考にしたほうが見やすくてわかりやすいと思いますので、表を引用させていただきます。
次に材質についてですが、OA床で一般的に使用されているのはスチール系(コア材なしの中空スチールと、無機質・有機質等のコア材を充填した中実スチール)となります。
他にもコンクリートやアルミ、プラスチック、合板など様々な材質のフロアが存在しますが、最近では用いられるケースは少なくなってきているようです。
OAフロアのメーカーと施工について
最後に、OAフロアを取り扱っている主要メーカーを挙げていくことにします。
パナソニック、センクシア、アーレスティ、イノアック住環境、昭電、共同カイテック、ニチアス、フクビ化学工業、日本シューター、岡村製作所、オーエム機器、紀陽産業、コクヨファニチャー、スミノエ、カナフレックス、イトーキ、ナカ工業、未来工業、三洋工業などが主に挙げられます。
基本的にOAの施工については、メーカーが一括で執り行ってくれる(見積価格に製品の値段と施工費が含まれている)場合と、施工はしない(OAフロア単体の価格)場合があります。
一つ一つのメーカーに施工について問い合わせるのは大変だと思いますので、一括見積をしたい場合はOAフロア見積.comというサイトで無料一括見積サービスを受け付けているようなので、利用しない手は無いと思います。
おわりに
今回はOAフロアについて、全くの初心者にでもわかるように書いたつもりです。
OAフロアの施工方法や施工例、価格、歴史、その他の知識について、さらに深く知りたい!という方は、記事中にもリンクを貼らせていただきましたが、フリーアクセスフロア工業会やOAフロア見積.comといった素晴らしいサイト・サービスがありますので、参考にしてみると良いでしょう。