電材

VE管(硬質ビニル電線管)とは?その用途と特徴は?

硬質塩化ビニル電線管、通称VE管は合成樹脂を使った直線性のある電線管です。

VE管は、金属製の電線管とは材質が違いますし、CD管やPF管といった可とう性のある樹脂管ともまた一線を画す電線管です。

上の写真のような物を建物の裏側とかで見たことある人、多いのではないでしょうか。これがVE管です。中に電線が入っています。

今回はこのVE管について、その用途と特徴(メリット・デメリット)を解説し、どのような付属品があるのか、またどんなメーカーがVE管を扱っているのか、価格はいくらくらいなのか、ということを簡単に説明していくことにします。

 

 

 

 

VE管の用途と特徴

VE管には、電線またはケーブルを保護する役割があります。これは電線管すべてに共通する用途なので、今更ここで多く語ることではありませんね。

では、VE管には具体的にどのような特徴があるのかという点について、メリットとデメリットに分けて、箇条書きでまとめていくことにしましょう。

 

◎VE管の特徴(長所)

  •  金属管に比べて軽量で、運搬がラクである。
  •  まっすぐである。(可とう性がなく、ストレートな管)
  •  絶縁体(電気を通さない)なので、金属管と違い接地工事の必要が無い。
  •  金属製のものと違い、錆びない。(=酸化しない。)

 

◎VE管の特徴(短所)

  •  金属管に比べて、衝撃に弱い。
  •  金属管よりも経年劣化が著しい。
  •  温度によって長さが変化する恐れがある。

 

 

大まかな特徴としては、こんなところでしょうか。ちなみにサイズは、CD管やPF管と同じ考え方です。

 

VE管は樹脂で出来ているので、軽くて運搬がラクで、錆びない、というのはなんとなくわかっていただけると思います。ここらへんはCD管やVE管とも同じです。

CD・PF管との違いは、可とう性が無く、まっすぐな管である、という点に尽きます。

CD・PF管とVEの使い分けについては、障害物があるかどうか・景観を損ねるか損ねないか、などの判断基準によって行われます。

 

で、短所に言及しますと、残念ながらVE管はやはり丈夫さにおいては金属電線管には敵いませんね。耐衝撃性・耐候性ともに金属電線管には劣ります。

しかしながら近年では技術が発達し、各メーカーから出ているVE管は、金属管にも勝るとも劣らない耐衝撃性・高耐候性を備えています。

ちなみに耐衝撃性のあるVE管をHIVE管といいますが、最近はどこのメーカーも耐衝撃性が備わっているので、わざわざHIVE管という人は少ないです。

 

耐候性についても、たとえば未来工業のVE管は実験段階で約1500時間の紫外線照射試験もクリアしており、直射日光による経年劣化はこれまでのVE管と比べてかなり少なくなってきています。

このように書いてしまうと「VE管かなり優秀やないか」なんて思う方もいらっしゃるでしょう。そのとおり。

VE管は短所と思われてきた部分を克服し、電線管として最強レベルと呼ぶにふさわしい実力を備えているのです。

しかしながらどの電線管を使うか、という問いについては、やはり断言しかねます。

1日中日光に晒されているような場所や、気温の変化が激しいような場所でもVE管が大活躍するのかというと、そういうわけでもないからです。

場合によっては二重管がいいかもしれないし、金属管を使うべきという状況も出てきます。

そこはやはり電気工事士さんや設計士さんが現場の状況や地域性をもって判断していくことになりますね。

 

 

 

 

VE管の付属品について

電線管の付属品についてはまた別記事で詳しく解説していければと考えていますが、ここではVE管の付属品について簡単に取り上げていきたいと思います。

 

ノーマルベンド。方向を90度変えたいときに使います。

 

 

エントランスキャップターミナルキャップ。穴から線を出して使います。

 

 

2号コネクタ。ボックスと接続する時に使います。

 

 

TSカップリング。VE管同士を接続する時に使います。

先述したように、VE管は気温の上下によって伸縮する性質を持っているので、管が収縮することを前提とした伸縮カップリングというものもあるようです。

 

 

こちらは未来工業から出ているVE管フレキ

普通、職人さんはVE管を曲げて使いたい場合、上に書いたノーマルベンドを使ったり、あるいはトーチで炙る作業をするのですが、このVEフレキを使えばその必要はなくなります。

というのも、このVEフレキ、見た目は普通のVE管なのですが、可とう性があり、CD・PF管のように手で簡単にぐにゃっと曲がる性質を持っているのです。

「じゃあPF管使えばいいじゃないか」という野暮な意見が出てきそうですが、景観を損ねないためにVEのままがいい!という人もいるので、そういう方にはこのVE管フレキを使うのが良いかもしれません。

 

 

 

 

VE管のメーカーと価格について

VE管のメーカーについてですが、代表的なのは総合電材メーカーである未来工業でしょうね。その後を追うように、日動電工…といったところでしょうか。

一昔前だと、樹脂製品は問答無用でミライ!という印象があったのですが、ここ最近は日動電工が力を付け始めていて、全国的にもシェアを獲得してきているのが現状です。

VE管本体ではなく、付属品だけであれば、たとえば伊藤電気製作所のように生産・販売しているメーカーもいくつか存在しています。

さて、価格についてですが、未来工業のVE管標準価格はサイズ16の4mモノが1本620円、サイズ22が730円、28が1,430円となっています。

なので、あくまでも推測ですが電気工事屋さんへの卸値は16で420円くらい?日動はもっと安そうなので380円くらいでしょうか。すごく適当です。すみません。

ここらへんは電気工事屋さんや問屋さんが詳しそうなので、ご法度かもしれませんが、もし知っている方がいらっしゃったらこっそりと教えてほしいです。(笑)

 

 

 

 

ネットでVE管を購入したい人へ

問屋やホームセンターではなく、インターネットでVE管を買いたい場合は、Amazonがオススメです。


未来工業 硬質ビニル電線管 J管 全長2m ベージュ VE-14J2 20本価格 VE-14J2
 

 

他にも、ミスミやモノタロウなどを利用するのも良いでしょう。

 

 

 

 

おわりに

今回はVE管についてまとめてみました。いかがだったでしょうか。

本文中で何か指摘する点(誤字脱字や誤情報)がありましたら、コメント等で教えていただけると幸いです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。