スイッチボックスとは、わかりやすく言うと、照明のスイッチやコンセントの裏側に埋め込まれているボックスのことです。
配線と端末器具の接続や他のボックスの配線接続といった用途で使われています。
「スイッチ」ボックスとは銘打っていますが、スイッチ用のボックスも、コンセント用のボックスも、よほどのことがない限りは同じものを使います。
・・・と、スイッチボックス自体の説明はこれで終了です。
え?それだけ?なんて思う方も多いと思いますので、もう少しだけこのスイッチボックスについて掘り下げて説明していこうと思います。
具体的にはスイッチボックスの使い方や種類、メーカーについて簡単に書いていきます。
スイッチボックスの用途・種類・メーカーについて
まずスイッチボックスには埋め込み型と露出型の2種類が存在します。
露出型はこんな感じ。
建物を作ってしまったあとにスイッチ・コンセントをつけたい!という場合(リフォームなど)にはこのようなタイプのスイッチボックスを使用することがあります。
壁に後付け、というものですので、当然出っ張っていて見た目的には美しくないです。
で、普通の住宅なんかですと、こういった黒いスイッチボックスが使われています。
こちらは未来工業の主要製品である「スライドボックス」というものですが、パナソニックや日動電工でも似たような(ほとんど同じ)ボックスを製造販売しています。
スイッチボックスが出てきた頃は、松下(現パナソニック)のスイッチボックスが主要だったのですが、その後ミライのスライドボックスが広く普及し、それがスタンダードになりました。
そして最近では日動電工のスイッチボックスが安いということで、徐々にそのシェアを拡げている、という感じでしょうか。
使い方としては、石膏ボード等の裏に留めて、表からボードを切ってスイッチやコンセントを取り付ける、といった流れになります。
昔はボックスの設置位置を覚えて、勘で穴をあけるという非常に難しいやり方でしたが、最近は磁石や金属があらかじめボックスについていて、探知機などを使って場所を洗い出し、のこぎりで穴をあける、といった感じです。
これだけではなく、60mmのホルソーを使ってダルマ型に穴をあけたり、高性能な探知機と小判穴ホルソーを用いて素早く・綺麗に穴をあける手法も徐々に浸透していっています。
こちらが小判型ホルソー。
小判穴ホルソーを使って穴をあけると、こういう感じで綺麗に開口することができます。
特に電気工事士は現場において施工のスピードが求められる傾向にあるので、探知機やスイッチボックス専用のホルソーというのは大変役に立つものではないでしょうか。
ボックスレス工法とは何か
ここまでスイッチボックスについて話をしてきましたが、電気工事の初心者からしてみれば、なぜスイッチやコンセントの裏側にボックスを設置する必要があるんだろう?なんて疑問がわいてくるかもしれません。
接続や分岐の作業をするために必要であるし、断熱材や造営材との接触を避けるためにも、ボックスは必要不可欠なものです。
しかし、断熱材や造営材が無く、壁内に空間がある場合、ボックスを用いずにスイッチ・コンセント等を設置するパターンも最近では増えてきているようです。
これをボックスレス工法といい、施工時間の短縮やコストの削減などの理由からボックスレス工法を採用している業者さんがいるのだそうです。
もちろん、耐火構造が必要な場合や断熱材が必要な場合は問答無用でボックスが必要となりますので、施主様などと相談してこの工法を用いることになります。
ネットでスイッチボックスを購入する場合
ネットでスイッチボックスを購入する場合は、Amazonで購入するのが一番便利です。
一通り必要なサイズや種類が揃っているので、ぜひ探してみてください。
未来工業 台付スライドボックス 1ヶ用 タッピンねじ付 SBO
おわりに
「スイッチボックス」という電材の使用用途は広く、種類もあらかじめ設置するものと後付けのもの、鉄製・樹脂製、2個用・3個用、木造用・コンクリート用(コンクリートボックス)など、いろいろあります。
とはいえ、用途はただ一つ。
「スイッチ・コンセント等の端末を取り付けるためのもの」というシンプルな用途です。
種類が多すぎていろいろと複雑に思われる方もいらっしゃるとは思いますが、このシンプルな用途だけ覚えておけばそれほど困ることはないと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。