前回の記事で耐火に関する基本的な用語(耐火建築物・省令準耐火など)を解説しましたので、今回はその補足のような感じで、防火区画という言葉の意味についてわかりやすく説明していきたいと思います。
で、防火区画について勉強するのであれば、ついでに防火区画処理(貫通処理)についても知っておいた方が良いかと思いますので、ついでにそちらの方も解説しますね。
防火区画とは
「防火区画」とググれば、トップにWikipedia大先生による解説が出てくると思います。
まずはそこから引用させていただきます。
防火区画とは、建築基準法に定められた区画で、火災時に火が急に燃え広がることを防ぐためのものである。準耐火建築物及び耐火建築物に求められるもので、建築基準法施行令第112条に定められている。
はい、概要としては以上です。非常にシンプルで、わかりにくいですね。(笑)
耐火建築物・準耐火建築物とは壁・床・柱などに耐火性能がある建物である、ということは前回の記事でも説明しましたが、実は全ての部屋の主要構造部一つ一つが耐火性能を持っていなければならない、というわけではありません。
ある一定の区画を設けて、その区画から別の区画に火炎が燃え広がらないように、防火処理をするのです。
文章で説明してもわかりづらいと思うので、(かなり下手くそですが)図を描いてみました。
あくまでも一例ですが(というかこんな雑な区画ありませんがw)
一つ一つの部屋A、B、C…を耐火構造にするのではなく、部屋A~Dは防火区画①、I,J,E,Fは防火区画②、K,L,G,Hは防火区画③といったように、特定のグループで分けて区画を作ります。
そして、その区画の主要部分が耐火性能を持っていれば良い、というふうに建築基準法では定められているのです。
区画に関しては、大きく分けると4種類あって、面積区画・水平区画・竪穴区画・異種用途区画の4つがあります。
それぞれの区画に特徴があり、当然区画の分け方も条件によって変わってきます。が、ここでは長くなりそうなので省きます。詳しく知りたい方はWikipediaや建築基準法を参考にしてみてください。
とりあえず、防火区画はこういうものなんだ、とざっくりでもいいので知っておくと良いでしょう。
防火区画の貫通処理とは
当サイトは電気工事や管工事の部材・業界に関する記事を中心に書いているため、防火区画の話をするのであれば、貫通処理・貫通処理材についても言及しなければならないでしょう。
[耐火建築物においては、防火区画を設けて、区画から区画への延焼を防ぐために、主要部分が耐火性能を持っている必要がある。]
これがここまでの要約となりますが、では、例えばさきほどの図の防火区画①から防火区画②へと電線・電線管を引っ張りたい時って、どうすればよいのでしょうか?
まず、穴を空ける必要がありますよね?そしてそこに管を通して、電線を通す。
でも、壁に穴をあけたら、そこから火が燃え広がってしまう可能性があります。
隣の区画まで燃えてしまったら、せっかくの防火区画が無意味になってしまいますよね。
そこで、貫通処理というのが必要になります。
壁や床、天井に穴をあけたら、そこに耐火材(貫通処理材)を使うのです。
それを貫通処理といいます。
耐火材については、電気工事・配管工事における耐火材・防火部材についてという記事を書いたので読んでみてください。
また、具体的にどのようなメーカーがどのような耐火材を取り扱っているか、という記事も今後書いていきたいと考えております。
おわりに
今回は「防火区画ってどういうものなの?」という疑問を抱いた方に対して、「あ、そういう感じね」となんとなーくイメージだけでも出来るように、超簡単に概要を説明してみました。
ネットで調べればいくらでも詳しい情報はあるので、正直真面目に勉強しようと思えば困ることはそんなに無いはずです。
ですが、もし調べても全然わからん!ということがありましたら、遠慮なくコメント等いただければと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。