電材

結束バンド(インシュロック,タイラップ,コンベックス等)について。

今回は建築業界において非常に頻繁に使われている結束バンドについて、その用途と、どのようなメーカーがあるのか(それぞれの特徴と違いについて)、ということを説明していきます。

実はこの結束バンドなのですが、人によって呼び方が本当に様々です。

一番多いのは「インシュロック」と呼ぶ人が圧倒的に多いと思います。あとは「タイラップ」や「コンベックス」、あるいは「ケーブルタイ」「ナイロンタイ」など本当に色々な呼称をもっています。

が、しかし結論からいうと、日本語での正式名称は「結束バンド(結束ひも)」が正解となります。

インシュロック・タイラップ・コンベックスは全て商標登録された商品名であり、ケーブルタイは英語ナイロンタイはナイロン製の結束バンドのことを言います。

で、今回はそれら全てを一括にして、業界初心者にもわかるように簡単に解説していこうと思います。

当サイトでは主に電材・管材について取り扱っていますが、もちろん電気工事や配管工事においてもこの結束バンドは頻繁に使用されますので、「結束バンド」とは何ぞや?という方は、ぜひとも参考にしてみてください。

 

 

 

 

結束バンドとは?

まず、結束バンドの用途について説明させていただきますと、これは英語訳の「Cable Tie」という言葉からもわかるように、基本的には複数のケーブルを束ねて、まとめるための配線材料です。

ケーブルを束ねて整えるものですから、当然ケーブルを傷つけるようなことがあってはいけません。

そのため、材質(種類)もケーブル類を傷つけにくい樹脂製であることがほとんどです。

とはいえ、当然ながら結束バンドそれ自体にも、様々な環境を想定した耐久性(耐熱性・耐候性・耐薬品性など)が必要となるため、メーカーによってはステンレス製のものなども存在します。

結束バンドには「ケーブルを束ねるもの」という基本的な使い方はあるものの、実際にはその用途は多岐に渡っています。

たとえばワイヤーの結束や管の固定、建築資材の組み付けの時なんかにも使う人がいます。

ただし、あくまでも使用用途としては、「ケーブル等を束ねるもの」という認識のもとに使うようにしてくださいね。

 

 

 

 

結束バンドの代表的メーカー

さて、結束バンドにはどんなメーカーの、どのような製品が存在するのか、ということについて、画像を用いてシンプルにまとめてみようと思います。

 

ヘラマンタイトンのインシュロック

まずは、業界の頂点と言ってもよいでしょう。東京都の笹塚に本社を置く配線資材メーカーであるヘラマンタイトン株式会社インシュロック(INSULOCK)です。

「インシュロック」というと何とも印象的なネーミングで、日本のメーカーが作ったと聞くと「飲酒」が関係しているのかな?なんて考えたりもしてしまうのですが、違います。

ヘラマンタイトン社のHPによると、もともとヘラマンタイトンの英国のグループ会社「インシュロイド社 」が”インシュロック”という製品を扱っており、その当初結束バンドは英国から輸入をしていたため、 ブランド名そのままで国内販売をした、という由来があるようです。

インシュロックの種類も非常に豊富で、電気工事用をはじめ、電子・通信・自動車用、分類・識別用、食品・医薬品製造業設備用、太陽光発電設備用、鉄道・船舶用など、本当に「無いものは無い」と言っても過言では無いほどの品揃えとなっています。

どのようなシチュエーションで結束バンドを使うか、その状況に合わせて選びたい場合は、ヘラマンタイトン社のインシュロックにすればまず間違い無いと思います。

 

 

パンドウイットのパンタイ

お次に紹介したいのは、アメリカ・イリノイ州のティンリーパークに本社を置くパンドウィット(PANDUIT)が取り扱っているパンタイ(Pan-Ty)という製品です。

このパンタイという呼称は、残念ながら日本国内では定着していません。が、製品としての完成度は非常に高く、その耐久性や種類の豊富さは先述したインシュロックに匹敵するほどです。

また、国内でのシェア率が意外と高いことに加え、当然ながら海外でも圧倒的なシェアを誇っていることが大きな特徴ですね。

 

 

T&Bのタイラップ

最後は、東京都品川区大崎に拠点を置くトーマスアンドベッツ社(T&B)タイラップです。

このタイラップは、まさしく結束バンドの原点とも言える商品です。

というのも、T&Bは1958年に世界で初めてナイロン製の結束バンドを世の中に打ち出したメーカーだからです。

コーラ界でいうところのコカ・コーラ。ノートパソコン界でいうところの東芝ですね。

現在では残念ながら、シェアとしてはインシュロックに取って代わられてしまっていますが、その功績は決して忘れられることはなく、今でも工事屋さんの中には結束バンドのことをタイラップ!と呼んでいる人が数多くいるようです。

 

 

その他の結束バンド

他にも結束バンドと呼べる製品を取り扱っているメーカーは数多くありますが、国内でいうと有名どころに芝軽粗材株式会社コンベックスというものがあります。

コンベックスというと、メジャー(測定機器)のほうを想像する人が一般的には多いでしょうが、結束バンドのことをこういう風に呼ぶ、というマニアック(?)な方も一部いらっしゃるようです。

 

 

 

 

 

おわりに

今回は工事業界(主に電気・通信・設備工事)で何気なく使われる結束バンドについて、知りうる限りの情報を簡単にまとめてみました。

結束バンドの種類や特徴、性質についてもっと詳しく知りたい!という方は、ヘラマンタイトン株式会社のホームページや、PANDUITが運営している(と思われる)結束バンド問題解決.comといった解説サイトを参考にすると良いでしょう。