電気工事において、キャップは電線管の端部に取り付け、ケーブルを引き出したり引き込んだりする際に使用します。
代表的なものがエントランスキャップとターミナルキャップです。
エントランスキャップ・ターミナルキャップは電線管の末端に取り付けて、そこから電線を引き込む/引き出すための部品です。
概要としては以上になります。非常にシンプルですね。
これ以上文章を引っ張ろうとしても逆にわかりづらくなるだけかもしれませんが、一応今回はエントランスキャップ・ターミナルキャップの違い、使い方、それぞれの代表的なメーカー、そしてウェザーキャップについても軽く触れていこうと思います。
エントランスキャップとターミナルキャップについて
まずエントランスキャップの概要について、私自身の言葉ではなく、電気工事士の参考書から引用してみることにしましょう。
屋外で引込線を取り込むのに使われているのがエントランスキャップです。雨水の侵入を防ぐために下向きの角度がついています。
「下向きの角度がついている」というのが特徴の一つですね。
それに対して、ターミナルキャップは電線とりだし口の角度が垂直となっています。
写真で見れば一目瞭然かと思いますので、ミライさんの製品写真を引用させていただきます。
こちらがエントランスキャップ。
で、ターミナルキャップがこれです。
これを見ると両者の違いはすぐにわかると思います。
エントランスキャップは下向き、ターミナルキャップは正面を向いていますね。
つまり使い方(使い分け)としては、電線管を縦方向(垂直)に敷設している場合はエントランスキャップを使用し、電線管を横方向(水平)に敷設している場合はターミナルキャップを用いるのです。
文章だけの説明じゃイメージしづらい・・・という方も当然いらっしゃると思いますので、ここでエントランスキャップを実際に使っている写真も1枚載せておきます。
こんな感じで、一つ一つの穴からケーブル類を出しているのですね。
ちなみにエントランスキャップには穴の数が3つのものが定番ですが・・・。
穴が一つだけのものもありますし
このように、鍔(つば)がついているタイプのものもあります。
写真では樹脂製のものを紹介していますが、当然、金属製のものもあります。
エントランス・ターミナルキャップの代表的なメーカー
金属製だとやはりパナソニック、樹脂製だと積水化学工業、未来工業、日動電工などが代表的なメーカーになりますね。
こちらがパナソニックのエントランス。
こちら積水化学工業。
こちらが未来工業。
そしてこれが日動電工です。
どれも見た目はほとんど同じです。
というのもこのエントランスキャップ・ターミナルキャップというのはJIS品と定められていて規格が決まっているため、メーカーによって特徴を出せない(差別化できない)ものとなっているからです。
なのではっきりいってどのメーカーのものを使ってもたいして見た目や使用感に差はありません。
たいてい、どこの電線管を使っているか、あるいはどこのメーカーが好きか、によって使い分けている人が多いのではないでしょうか。
ウェザーキャップとは
ここまでエントランスキャップとターミナルキャップについての記述を長々と書いてきましたが、質問としてよくありそうなのが「ウェザーキャップってよく聞くんだけど何なの?」というものです。
ウエザーキャップというのは電材におけるキャップの業界用語バージョンみたいな感じです。
工事屋さんによっては未だにエントランスキャップ・ターミナルキャップのことを単に「ウェザー」と呼ぶ人も多いようです。
なぜウェザーキャップと呼ばれているのかは不明ですが、ウェザー(weather)=天気という英語からきているのかな、という個人的な推察です。
エントランス・ターミナルともに外で使用することが多く、「天気の影響をもろに受ける」という意味でウェザーキャップという名がついたのかなぁ、という予想を勝手にしています。(完全に個人的な妄想です。知っている人いたら教えて下さい)
いずれにしても正式名称としてウェザーキャップが使われることは現在ではありませんが、現場においては現役で使われている用語ですので、覚えておいて損はないかと思います。
おわりに
今回は電線管付属品の中でも少しだけテイストの違うエントランスキャップとターミナルキャップについて解説してみました。
できるだけ画像を用いてわかりやすく解説したつもりですが、何か疑問点や指摘などございましたら遠慮なくコメントいただければと思います。