前回、FEP管(波付硬質ポリエチレン管)に関する記事を書きましたが、今回はそのおまけという形で、FEP管の代表的なメーカーとその特徴について記述していきたいと思います。
まず、FEP管を製造・販売しているメーカーについてですが、いの一番に挙げられるのは古河電気工業のエフレックスです。
次にカナフレックスのカナレックス、東拓工業のタクレックスあたりがよく使われているFEPだと思います。
あとはダイカポリマーのダイカレックスや未来工業のミラレックス、日動電工のタイレックスなど。FEP管を扱っているメーカーはたくさんあります。
正直な話、FEPは規格があらかじめ決まっているため、どこのメーカーも、施工性や重量にたいした違いはありません。
したがってFEPを選ぶ判断基準は必然的に価格と納期の早さがポイントになってくると思います。
価格に関しては前回の記事でもお伝えした通り、各メーカーそれぞれオープン価格で提示しているため残念ながら正確なところはわからず、電材問屋かメーカーの担当者出ない限り知る術がありません。
なので、今回は電材メーカーのうちFEPで有名な3社(古河・カナ・東拓)に焦点を当てて、それぞれのFEPの特筆すべき特徴と、物流・倉庫(出荷拠点)がどこにあるのかという点を中心に解説していくことにします。
エフレックス(古河電気工業)
古河のエフレックスは、FEPの代名詞といってもいいかもしれません。電気工事屋さんの中には、FEPという名称を使わずにエフレックスと呼ぶ人もいるくらいです。
エフレックスの特徴として特筆すべき点は特にありませんが、ホームページの説明欄には
「波付構造により、偏平圧縮強度を高めた適度の可とう性をもつ優れた作業性など従来にない新しい管路としての特性と経済性を兼ね備えている」
というふうに記載されています。
さてそんなエフレックスですが、物流拠点が、同じ古河電工グループである古河エレコムの物流拠点から出荷されているようです。
物流拠点は千葉県市川市、兵庫県尼崎市、北海道札幌市、宮城県柴田町、福岡県北九州市、神奈川県川崎市、愛知県北名古屋市、そして沖縄県那覇市となっており、全国に物流拠点があるというのが大きな特徴です。
さすがにFEPの先発メーカーというだけあって、供給は安定しているようで、名実ともにFEPのトップメーカーと言えるでしょう。
カナレックス(カナフレックス)
カナフレックスは電設資材だけでなく土木資材や工業用品を生産・販売しているメーカーです。
ここの主要製品の一つである「カナレックス」もまた、非常に有名でシェアの高いFEPとなっています。物流拠点も北海道・東北・関東・中部・近畿・中国四国・九州と全国に構えているため安定した供給を期待できる企業です。
ここで、カナフレックスのホームページよりFEPの特徴を引用してみます。
「波付硬質合成樹脂管(FEP)NEW カナレックスは、従来品のカナレックスと同等でありながら、さらに優れた施工性を有する地中電線管路です。「曲げやすさ」「経済性」を兼ね備え、なおかつ独自のリング形状で取り付け作業も効率化しています。」
カナレックスの特徴は、波形が螺旋状ではなく、一重波形のリング状になっているという点です。
あとは電材店からの噂で小耳にはさんだ情報ですが、問屋への入り値が一番安いのもこのカナレックスだという話を聞いたことがあります。
安さでいくならカナレックス!といった感じでしょうかね。
タクレックス(東拓工業)
東拓工業はパイプ・ホースの製造・販売を行っているメーカーです。
物流拠点は静岡・大阪・佐賀・沖縄とやや供給面に不安なところがあります。北日本ではあまり使われていないのかもしれませんね。メーカーが打ち出しているFEPの特徴は
- 軽量で取扱いが容易
- 機械的強度が大きい
- ケーブルの引き込みが容易
- 可とう性がある
- 長尺でかつ5m毎にマーク入り
以上がタクレックスの特徴になります。
特筆すべき点は特にありませんが、東拓のFEPで一番のポイントは、通常のFEP管ではなく、四角いFEP管のほうでしょう。
商品名が角形TACレックスといいます。
通常の円柱型FEPのような施工性・強度を保ちつつ、積み上げることができるようになり多条敷設も可能となっています。(ちなみに未来工業や古河電工など他メーカーでも同じようなものが販売されています。)
おわりに
今回はFEPを製造・販売しているメーカー3社に焦点を当てて、それぞれの特徴と物流の状況を解説してみました。
もちろん、この記事で取り上げた3社以外でも優秀なFEP管はたくさんあります。
特に電材の総合メーカーである未来工業や日動電工も最近はFEPの生産・販売に力を入れているという話も聞きますし、たとえばカナレックスのリング状FEPや東拓の四角FEPと同じものも他社で製造・販売しているようです。
競合同士で切磋琢磨し差はほとんどなくなってきているようですので、正直どこのFEPも変わらない、というのが結論です。
であるならば前述したように物流拠点がどこにあるのか、という点や、価格はいくらなのか、あるいは信頼性(ネームバリュー)で選ぶこともポイントになってくると思いますので、結局のところは各電気工事店・土木工事店の判断に委ねられることになります。
以上非常に拙い文章でしたが最後まで読んでいただきありがとうございました。