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耐火建築物,準耐火建築物,耐火構造,省令準耐火とは?全部解説します!

耐火に関する用語は、正直言って難しくてよくわからないものばかりです。

当サイトでは、主に電気工事や配管工事関係者、あるいは電材管材のメーカー・問屋・商社の営業さん向けに情報を提供していますので、今回はその視点からこの耐火関連用語を紐解いていきたいと思います。

というのも、電気工事・配管工事において耐火材を使う人はたくさんいるものの、実際のところ、どういう理由・目的で使うのか、ぼんやりとしかわかっていない人が多いという事実があるからです。

耐火材を使用する簡単な理由は前回の記事で説明しましたが、今回はそこで出てきた難しそうな用語について、一つ一つ解説することにします。

具体的には、まず「耐火構造って何?」という話から始めて、次に「耐火建築物の準耐火建築物の違い」、そして最後に「省令準耐火」について、わかりやすく簡潔に、なるべく専門用語を使わないように説明していくつもりです。

宜しくお願いいたします。

 

 

 

 

耐火構造・準耐火構造とは?

耐火構造とは、壁、床、柱などが耐火性能(火災が起きたときに倒壊・延焼を防止するための性能)を持っている構造(コンクリートやレンガ等)のことを指します。

倒壊・延焼を防止するための性能ってどんな性能やねん!とのツッコミがありそうですが

耐火材を壁、床、柱に使えば、延焼を防ぐことができますから、耐火性能があると言えます。

 

建築基準法においては、耐火構造は以下のように定義が定められています。

壁・柱・床その他建築物の部分の構造のうち、耐火性能(通常の火災が終了するまでの間当該火災による建築物の倒壊及び延焼を防止するために当該建築物の部分に必要とされる性能をいう。)に関して政令で定める技術的基準に適合する鉄筋コンクリート造、れんが造その他の構造で、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものをいう。

 

 

次に準耐火構造についてですが、実はこれも定義としては耐火構造とほとんど同じです。

準耐火構造は、延焼を抑制する性質を持った構造のことを指します。

ほとんど同じように思えますが、微妙に違います。

耐火構造は延焼と倒壊を防止する役割をもった構造のことを言いますから、それに比べれば準耐火構造は少しハードルが下がりますよね。

 

よく、耐火構造と準耐火構造の違いは?という疑問を抱く方が多いのですが、大雑把に言えば上に書いたとおりで、

 耐火構造…延焼・倒壊を防止する構造

 準耐火構造…延焼を阻止する構造

 

となり、まぁ耐火構造のほうが火災に強い構造なんだなー、となんとなく感じていただけるかと思います。

 

ただ、この両者の違いを具体的に説明しようとすると、非常に複雑で難しい話になってしまいます。

 

ですが敢えてその具体的な内容を一言で言うならば、

 

耐火構造…火が燃え広がるのを長時間(1時間~3時間)阻止する構造

準耐火構造…火が燃え広がるのを短時間(45分~1時間)阻止する構造

といったところでしょうか。延焼を防ぐ時間というのは、場所や規模によって変わってきますので一概には言えません。

 

ちなみに耐火構造と準耐火構造の違いについて、詳しく知りたい方は、こちらのサイトを参考にしてみると良いでしょう。非常にわかりやすく、正確に端的に解説しています。

 

 

 

 

耐火建築物と準耐火建築物の違い

さきほどの項目では、耐火構造・準耐火構造について簡単に説明してきました。

では、耐火建築物・準耐火建築物とは一体なんなのでしょうか?

 

・・・話の流れ的にわかると思いますので概要だけ書いてしまいますが

耐火建築物耐火構造をもった建築物

準耐火建築物準耐火構造をもった建築物

 

定義としてはざっくり説明するとこのようになります。

 

まさしく読んで字のごとく。普通に考えれば「そりゃそうだろ」という感じですが、まぁそういうことです。

 

わかりやすく言うと、耐火建築物=かなり火災に強い建物準耐火建築物=そこそこ火災に強い建物、という感じですね。(笑)

 

本当はもっともっと詳しく説明しなければならないポイントがたくさんあるのですが、それを書こうとすると、それこそ複雑でややこしくなってしまうので、Wikipediaあたりを参考にすると良いと思います。

 

 

 

 

省令準耐火とは何か

最後に、省令準耐火について解説していきます。

 

省令準耐火準耐火建築物。

どちらも「準耐火」という文字が入っているので類語かな?なんて思う方もいらっしゃるかもしれませんが、実は両者は全くの別物です

 

省令準耐火構造(省令準耐火住宅)とは、住宅金融支援機構が定める基準に適合する耐火構造(建築物)のことを指します。

建築基準法に準ずる基準として定められていますが、建築基準法で定められた法令ではありません。

したがって、当然耐火の序列的には耐火・準耐火構造よりも下になります。

 

ここまで書いてもよくわからない!という人もいるかもしれませんが、要するに国が定めた基準ではなく、民間が定めた耐火基準ということです。

 

ですから省令準耐火に従って建物を建てなかったからといって違反になることはありません。

 

じゃあ省令準耐火構造にするメリットって何ぞや?ということについてですが

省令準耐火にすることによって、火災保険料がいくらか安くなるというメリットがあるようです。

 

 

この省令準耐火について詳しく説明している解説サイトがいくつかあったので、ここでリンクを貼っておこうと思います。参考にしてみてください。

フラット35

火災保険料が60%安くなる省令準耐火のメリット・デメリット

All About -省令準耐火構造と準耐火構造の違いと火災保険-

 

 

 

 

おわりに

今回は、耐火に関する用語「耐火構造」「準耐火構造」「耐火建築物」「準耐火建築物」「省令準耐火」について、なるべく噛み砕いて説明してみたつもりです。

正直噛み砕きすぎて原形をとどめていない部分もありますが、ざっくりと意味を知っておくだけでも理解できることもたくさんあると思います。

それぞれの用語について解説しているサイトのリンクは本文中に貼ってみましたので、詳しく知りたい方はそちらのほうを参考にすると良いでしょう。